~from the Mayor's Desk~
町長の机から 第243回(2022年5月号)
学校統合
郡上市立小川小学校で卒業式が執り行われました。卒業生は1名、在校生は3名。ささやかな式典でしたが、卒業生、在校生にとっては心に残る思い出として、長く記憶に残ることでしょう。小川小学校は3月31日をもって約150年の歴史に幕を下ろしました。
少子化、過疎化が進み、生徒数の減少により学校再編を余儀なくされた例は加茂郡でもあります。白川小学校と白川北小学校が統合され、白川小学校となりました。校舎は白川北小学校校舎を使用しています。また、この4月からは白川中学校と佐見中学校が統合され白川中学校となりました。校舎は白川中学校のものを使用しています。七宗町では、上麻生小学校と神渕小学校の統合が議論されていましたが、両地区の距離が問題となって立ち消えとなりました。八百津町でも、かつて学校統合を経験しています。
学校統合に関してこれらの例に共通する原因は児童、生徒の減少です。それも2学年を一人の教師が担当する複式学級を作らなければ授業が継続できないほどの減少です。これに比べると現在、川辺町で議論される学校統合は、子ども数の減少が原因なのは共通していますが、学級編成上の事情は少し異なります。川辺西小学校、川辺東小学校、川辺北小学校の生徒数はそれぞれ、268人、167人、101人で、各校各学年の平均児童数は45人、28人、17人となり、いずれも複式学級の要件にはあてはまりません。1学年35人以下の少人数学級ですが、少人数が故の利点もあります。少数精鋭の言葉どおり、密度の濃い教育が可能となります。ただ体育の授業では、団体競技で支障をきたすこともあります。さらに東小学校、北小学校では、1年生から6年生までクラス替えがなく、多くの児童の間で切磋琢磨する機会が少ないことも挙げられます。
学校統合をした場合、各学年は平均して3学級90人前後の人数となり、クラス替えは十分に可能で多くの同級生の間で自分づくりに励むことができます。さらに小学校から中学校へも同じ生徒が進級するため、一般にいわれる中1ギャップ(小学6年生から中学1年生に進級した際に被る、心理や学問、文化的なギャップと、それによるショックのこと)も少ないと思われます。
統合再編の問題は重要な課題として、議会一般質問でも取り上げられています。今後も進捗状況についてご報告させて頂きます。
川辺町長 佐藤光宏